

ここ春吉の地でもつ鍋屋として「もつ料理 かわ乃」が誕生して、 はや六十有年。初代女将の時代からこれまで歴史を刻んでこられたのも、ひとえに地域の皆様の長年にわたる温かいお心づかいのおかげでございます。現在は初代女将の娘である私が二代目として老舗となった春吉本店を守っております。皆様方にはご愛顧いただけましたら幸いです。これからもご期待に沿えるよう邁進してまいりますので、今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。


昭和二十八年、当店は初代女将とビルの所有者であった河野貫六氏との共同経営で始まりました。創業当時にご提供していたもつ鍋はしょうゆ味のみ。もつとニラだけを秘伝のしょうゆ風味のだしで炊いたもので、それこそ本来の姿でした。その味は今でもかわ乃で受け継がれ、常連様に愛されております。


今でこそ鍋の〆の定番となったチャンポン麺ですが、当時はとても珍しいものでした。当店でお出しするようになったのも、馴染みのお客様が「最後の仕上げにもつ鍋に入れて食べてみたい」と持ち込んだチャンポン麺がきっかけです。その美味しさが他の方にも広がり、現在ではスタンダードな存在となりました。


初代から春吉本店を受け継いだ後は、昔の味を残しながらも時代に合わせた変化が求められました。伝統のしょうゆ味のもつ鍋は、母の味は変えずにスープやキャベツ、豆腐を増やし、より多くのお客様に受け入れられるように。また、お客様の強い要望にお応えし、みそ味もご提供するようになりました。試行錯誤しながら新たに作り上げたみそ味も、今では多くのお客様にお召し上がりいただいております。
